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東条産山田錦について

山田錦とは

【山田錦の誕生】

 大正12年に兵庫県立農業試験場で「山田穂」を母、「短稈渡船」を父として人工交配し、昭和3年に酒米試験地(現加東市沢部)で産地適応性の試験などを行ったのち、昭和11年に「山田錦」と命名され、兵庫県酒米奨励品種に指定されました。

【山田錦の栽培適地・栽培特性】

 六甲山地の北側の谷あいから北播磨にかけての山間地で、昼夜の気温差が大きく、水はけのよい階段状のいわゆる棚田地帯が好適地とされており、加東市東条地域はこれらの条件が整っています。

 山田錦は他の品種に比べ、茎が長いため倒伏しやすく、また、収量性も低いため、高度な栽培技術を必要とします。

【山田錦の特徴】

良質の酒米の条件は、

  1. 大粒で心白があること
  2. たんぱく質の量が高くないこと
  3. 粒張り・粒揃いがよく、千粒重が大きいこと

と言われており、「山田錦」はこれらの条件を備えた最高の酒米として高い評価を得ています。

 

東条産山田錦とは

山田錦は日本一の酒造好適米として全国の酒造家から評価を得ていますが、その産地であり、全地域が「特A地域」として認定されている東条産山田錦のブランド化推進を目指して平成21年に商標登録しました。

 

商標

  • 地域団体商標「東条産山田錦」
  • 商標登録 第5264709号
  • ~兵庫県加東市の東条地区で生産された醸造用の山田錦の玄米~

 

東条産山田錦の産地

 

生産者の思い

私たちのふるさと加東市東条地域は、六甲山の北側に位置し、さらに北には丹波山地が控えています。夏の夜、暖かな海風を六甲山が遮り、丹波山地からの冷涼な風が入ることで、昼夜の温度差が大きくなるという山田錦生産に最も適した地域となっています。

 山田錦という品種ができて約80年、私たちは戦後、食用米が不足して高値であった時もずっと山田錦にこだわって生産を続けてきました。

 日本酒の消費については、ユネスコ世界文化遺産に「和食」が認定されたことで日本食と日本酒の素晴らしさが世界中から再認識され、日本酒の輸出が順調に伸びています。

 近年、全国各地の酒造家が吟醸酒や大吟醸酒など高級酒の売上を伸ばしており、山田錦の生産が需要に追いつかない状態となっていますが、地球温暖化や台風の増加、巨大化など、草丈が高く、倒れやすい山田錦を生産する上での苦労が増えてきました。

 しかし、長年の経験と山田錦への情熱では誰にも負けません。稲の性質を熟知し、たゆまぬ努力で悪条件を克服して、より高品質の山田錦を生産し、酒造家と消費者の期待に応えるため、今後とも高品質な山田錦生産に心血を注ぎます。

 私たち東条山田錦振興会では、こうした状況を踏まえ、更なる品質向上と増産を目指して頑張っています。

[鷹尾 建志]